日々の”楽しい”をみつけるブログ

福岡県在住。九州北部を中心に史跡を巡っています。巡った場所は、各記事に座標値として載せています。座標値をGoogle MapやWEB版地理院地図の検索窓にコピペして検索すると、ピンポイントで場所が表示されます。参考にされてください。

皇祖神社に祀られる庚申塔群 福岡県飯塚市鯰田

福岡県飯塚市の鯰田(なまずた)という地区に、皇祖神社(こうそじんじゃ)が鎮座します。

皇祖神社の境内に、複数の庚申塔がまつられていました。文字がみえなくなっているものが一部あり、庚申塔と判断できない石塔もあります。判断できない石塔もふくめて、境内に祀られている石塔群を記載してみたいと思います。今回、ご紹介する石塔は7基です。

 

場所:福岡県飯塚市鯰田

Google map

 

石塔群と神社本殿の、おおよその位置関係を示すと、以下のようになります。

①→⑦まで順番にご紹介します。まず①~⑤です。鳥居をくぐって、すぐ右側にまつられている庚申塔群です。



①猿田彦大神、という文字のみが確認できます▼

 

②「猿」らしき文字が、かろうじて確認できます。他の文字は見えません▼

 

③石塔正面の文字は風化してみえなくなっています▼ この石塔の左右には猿田彦大神の庚申塔と、庚申の文字が刻まれている庚申塔がまつられているので、状況から考えると、こちらの石塔も庚申塔なのではないかと予想されます。

石塔裏の下側に石塔を建てた講中の名前が刻まれているようです。

 

④庚申、という文字のみが刻まれています。側面・裏側には文字は確認できませんでした▼

 

⑤「□□□尊天」という文字が確認できますが、風化がはげしく何の神様なのか判読できません。

刻まれている文字をそのまま書き出してみます▼が、もとの文字を想像することができませんでした。



次は、⑥と⑦の石塔をご紹介します。⑥のすぐ背後に⑦の石塔が隠されるようにして祀られています。

 

⑥「庚申」という文字のみが確認できます▼

⑦表面が剥離しており、文字は確認できませんでした。

 

 

7基の石塔群のうち、確実に庚申塔であると確認できたのは、①猿田彦大神、④庚申、⑥庚申、と刻まれた3基のみでした。

大行事神社の境内にまつられる4基の庚申塔群 福岡県飯塚市鯰田

飯塚市(いいづかし)鯰田(なまずた)という地区に、大行事神社があります。この境内に4基の、おそらく庚申塔とおもわれる石塔がまつられていました。

 

場所:福岡県飯塚市鯰田

座標値:33.668240,130.701100

 

 

 



 

一番右側の庚申塔らしき石塔ですが、文字が風化して、みえなくなっています▼

庚申塔にむかって右側面に、元文五庚申年、□月十四日と刻まれています。元文五年は西暦1740年、干支は庚申(かのえさる)です。

左側面には、甲子(きのえね)十一月再興、と刻まれています。

 

右から2番目の庚申塔には、猿田彦大神とのみ刻まれています。造立年月は確認できませんでした▼

 

 

右から3番目の庚申塔らしき石塔にも文字は確認できませんでした▼

 

 

右から4番目…つまりいちばん左側の、小さめの庚申塔には、猿田彦、とだけ刻まれています。

裏側には、天明、という文字がかろうじて読み取れます。しかし何年であるかは確認できません。天明年間は1781年~1789年の9年間です。

 

大行事神社が鎮座する地域は、遠賀川のすぐそばで、川からながれてくる堆積物により地質が主に構成されています。またすぐ南側には砂岩・泥岩で構成されている地域が一部ひろがっています。

 

参照:地質図navi

 

大行事神社の境内にまつられる4基の庚申塔は、おそらく砂岩で1700年代に造立されたものなのではないかと想像されます。砂岩であるために、その大部分が剥落して文字がみえづらくなっていると考えられます。

神使である猿の石像と庚申塔が祀られる現人神社 福岡県田川郡香春町採銅所

都怒我阿羅斯等命(つぬがあらしとのみこと)が祀られている現人神社(あらひとじんじゃ)。神様の使いである猿が、流行り病である疱瘡(ほうそう)を鎮めたという言い伝えから、猿の石像が祀られているそうです。猿の石像を参拝にいきました。

 

場所:福岡県田川郡香春町採銅所

座標値:33.713787,130.851311

拝殿にむかって右側。本殿の手前。

狛犬とともに二基の猿の石像が祀られています。

中央の台座には「大嶋郡 中瀬キヨ」と刻まれているようです。

 

 

拝殿にむかっての左側にも同様に、一基の狛犬と、二基の猿の石像がまつられていました。

いちばん大きな猿の石像台座にも「大嶋郡 中瀬キヨ」の文字が刻まれています。「福岡県の廃止市町村一覧 - Wikipedia」で調べてみても福岡県内に大嶋郡という地区はみあたりません。



現人神社境内に祀られる二基の庚申塔

神社入口に猿田彦大神の庚申塔が祀られています。

場所:福岡県田川郡香春町採銅所

座標値:33.713624,130.851702

 

裏側に「嘉永六丑二月日」の文字。嘉永六年は西暦1853年、干支は癸丑(みずのとうし)です。

 

本殿にむかって右奥に、もう一基庚申塔が祀られています。

場所:福岡県田川郡香春町採銅所

座標値:33.713891,130.851191

 

文字がみえにくくなっていますが「庚申尊天」と刻まれているようです。その上には…奉寄進…という文字か?

むかって右側面に「享保十九甲寅年」と刻まれているようです。享保十九年は西暦1734年、干支は甲寅(きのえとら)です。

むかって左側面に「十二月十九日」という文字と庚申講メンバーの名前が四名ほど刻まれています。

 

透明な海にひろがるサンゴの生態

沖縄のいきもの』P.38‐44の読書ノートです。サンゴの生態について紹介されています。

※クリックするとAmazonサイトが開きます

 

サンゴは海水が透明な場所で生息することができます。それはサンゴと共生している褐虫藻(かっちゅうそう)と呼ばれる植物プランクトンが光合成をするために日光が必要となるからです。日光を褐虫藻が吸収するためには、濁った海ではだめで、水の透明な海でなければなりません。いっぽう、「水が透明である」ということは、陸地から栄養豊富な土壌などが流れてきていないということであるため、栄養分が少ない海であるということになります。栄養分の少ない海ではあるものの、サンゴと共生する褐虫藻が光合成をして、栄養分をサンゴに分け与えてくれているため、サンゴは発達することができます。

サンゴ自体は、イソギンチャクやクラゲと同じ、腔腸動物(こうちょうどうぶつ)に分類されます。つまりサンゴは、イソギンチャクが集まって石の骨格をつくっているようなものです。腔腸動物であるサンゴ自体は、自分で栄養分をつくりだすことはできませんが、褐虫藻と共生することで、貧栄養の海でも生きつづけることができます。

 

逆に、褐虫藻がいなくなるとサンゴは生きていくことができません。海水の温度が高くなると褐虫藻は温度の低い海域へと逃げてゆくため、サンゴは「白化」してしまい、栄養分を取り入れることができず死んでしまいます。

 

海水の温度が高くなりすぎるとサンゴは死んでしまいますが、いっぽう、温度が低すぎてもサンゴは生きていけません。『沖縄のいきもの』P.39には、水温が18.5℃以下ではサンゴは生きていけないことが紹介されています。

 

サンゴ礁が発達するには、次の三つの条件が必要だということを、サンゴ礁の生き物の研究者である本川達雄(もとかわたつお)さんが本の中で示しています。

 

・水温が18.5度以下にならないこと

・水深が約40メートル未満の浅い海であること

・水が透明であること

 

 

サンゴが成長するためには「日光」と「適度な水温」が大切だということがわかります。

 

サンゴ礁は「裾礁(きょしょう)」→「堡礁(ほしょう)」→「環礁(かんしょう)」という順番で変化してゆきます。

 

島のまわりの浅い海にサンゴ礁が形成され、島のフチに沿ってできたものが裾礁です。島が徐々に小さくなっていくにつれ、サンゴ礁が上へ上へ積みあがるようにして発達していくと、島とサンゴ礁との間にひろい海水面ができあがります。これが堡礁です。さらに島が小さくなり、なくなってしまうとリング状のサンゴ礁だけがのこされます。これが環礁です。

 

沖縄でみられるサンゴ礁は、初期段階である裾礁です。

島から少し離れた沖にあるサンゴ礁は、沖縄ではリーフとか、ヒシ(干瀬)とか、ピーと呼ばれています。リーフと陸との間の波が穏やかな海域はイノーと呼ばれています。

 

 

イノーのなかには砂がたまっている場所があり、そこには海草(うみくさ)が生息しています。海藻(かいそう)とはちがいます。海草(うみくさ)は、一度地上へ進出した植物がふたたび海に生きていけるように進化したものです。根・茎・葉の区別がはっきりしない海藻(かいそう)とは異なり、海草(うみくさ)は根・茎・葉の区別ができ種子で繁殖する植物です。

 

 

海草は地面に根をはっているために波で流されにくく、葉で光合成により生成された栄養分を根にまでいきわたらせることができます。海藻は小石や貝などに付着して、生育しているために流されやすく、イノーの砂地では広範囲では生育することができません。そのためイノーの砂地では海草が勢力を広げています。

 

「site:」を使って"はてなブログ"内で自分の読みたい記事をさがす

【キーワード】site:hatenablog.com

 

…でGoogle検索にかけると、はてなブログサービス内だけの検索結果が表示され、重宝しています。例えば以下のような感じです▼

 

例)

沖縄の亀甲墓site:hatenablog.com

御嶽うたきsite:hatenablog.com

手書きノートを日常で活用するsite:hatenablog.com

 

さらに「パワースポット」など、あまり結果に表示したくない言葉を省きたいときは、半角のハイフン「‐」を除外キーワードの前につけます。どうも半角のハイフン「‐」じゃないといけないらしく、ほかの形の似た横棒「-」だと除外されないようです▼

 

例)

御嶽うたきsite:hatenablog.com -パワースポット

 

この方法で、だいぶ個人的に好みなブログ記事にたどりつくことができるようになりました。はてなブログ内で記事を書かれているかたがたは、「好き」を極めているかたたちが多い感じがします。そのようなかたがたの記事を拝読すると、「こんな考え方があったのか」と視野が広がります。

 

参照:Google検索セントラル.site:検索演算子

 

ネット全体でキーワード検索すると、いわゆる「いかがでしたかブログ」のようなサイトがよくひっかかってしまっていて困っていました。表示したくないなと思ったサイトは、そのつどBlockSiteというフリーソフトでブロックしていました。

 

検索演算子「site:」や除外検索「‐」をつかうことで、めざす記事をかなり絞りこむことができます。他にもNHKのニュースサイトや、音声配信Voicy(ボイシー)サイト内で検索したい場合にも使うことができます▼

 

例)

図書館を活用するsite:www3.nhk.or.jp

怪談site:voicy.jp

 

それぞれのサイト内での検索機能があまり期待できない場合、この検索演算子「site:」が活用できるように感じます。

佐良浜のカミと拝所『治癒と物語』 沖縄県宮古島市伊良部

『治癒と物語』に、沖縄県宮古島市の伊良部島にある御嶽(うたき)が紹介されています。場所は、伊良部(いらぶ) 佐良浜(さらはま)という地区です。

 

伊良部は以下の7つの行政区でできています。

 

①伊良部、②長浜、③佐和田、④国仲、⑤仲地、⑥前里添、⑦池間添

 

⑥前里添(まえさとそえ)、⑦池間添(いけまそえ)をあわせて、通称 佐良浜(さらはま)と呼びます。




佐良浜の人たちにとっての「カミ」が祀られている場所が拝所で、「ムイ」と呼ばれます。「ムイ」というのはいくつかの拝所のことを指すそうで…

 

・村の祭祀でツカサ(司)たちがまわって祭祀を行う拝所

・村落の一定年齢の女性たちが参加する祭祀であるユウクイのときに回る拝所

・各地のサト(里のこと?)の拝所

 

参照:『治癒と物語』P.59

 

ユウクイ(ユークイ)とは、島の豊饒を祈願する行事のことで、島に住む人たちのために、ツカサンマと呼ばれる女性たちがおこないます。ツカサンマというのは「司母」と書き、神女のことを指します。

 

琉球新報の2022年2月4日の記事で、ひさしぶりにツカサンマが選ばれたということが紹介されています。

 

【宮古島】宮古島市平良の池間島で島の神事をつかさどるツカサンマ(司母)が6年ぶりに誕生した。旧正月の1日、島のウハルズ御嶽で新旧ツカサンマによる引き継ぎニガイ(願い)と正月ニガイが執り行われた。ツカサンマらは厳かな雰囲気の中、新しいツカサンマの誕生を神に報告し、島の1年の平安や豊漁、豊作を願った。参照:https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1465698.html

 

 

 

ユークイは「世乞」と書くようです。ユークイの『ユ』とは世、豊年、豊饒、豊作、富を意味し、『クイ』とはクウで乞うという意味があります。

 

YouTubeでユウクイの様子が紹介されています。

参照:https://www.youtube.com/watch?v=cHh2ju8wUl8&ab_channel=2raloo

www.youtube.com

 

参照:コトバンク.ユークイ(世乞)

 

 

『治癒と物語』P.59‐60に、ユウクイでまわる拝所があげられています。たくさんの番号が記載されていますが、①‐⑧がユウクイでまわる拝所です。参照:『治癒と物語』P.61

 

 

①ウハルズウタキ(大王御嶽)
大主神社、ナナムイともいう。池間島からの分祀。



場所:沖縄県宮古島市伊良部

座標値:24.843958,125.211506

 

②ウイラニイ
ユウ(豊かさ、富)の女神。

 

③ナップアニイ
リューキューの女神。

 

④ウジャアキニイ
酒の神、陽気な神という。

 

⑤ナカマニイ(仲間御嶽)
ウブユーニー(大世根)の神。航海安全の神。

 

⑥ニカムラヒヤズ
安産の神。二ヵ村御嶽。

 

⑦アカマミー
赤豆の神。豆を豊かに実らせてもらうよう祈願する。

 


⑧タウチュー
本土から来た神。学問の神。遭難者を葬ったという。

 

 

参照:PDF.宮古島佐良浜の年中祭祀-祭祀と供物(試論)

参照:PDF.沖縄県多良間島における伝統的社会システムの実態と変容に関する総合的研究

参照:PDF.沖縄の祭祀とシャーマニズムについての覚書