日々の”楽しい”をみつけるブログ

福岡県在住。九州北部を中心に史跡を巡っています。巡った場所は、各記事に座標値として載せています。座標値をGoogle MapやWEB版地理院地図の検索窓にコピペして検索すると、ピンポイントで場所が表示されます。参考にされてください。

本の紹介

透明な海にひろがるサンゴの生態

『沖縄のいきもの』P.38‐44の読書ノートです。サンゴの生態について紹介されています。 ※クリックするとAmazonサイトが開きます サンゴは海水が透明な場所で生息することができます。それはサンゴと共生している褐虫藻(かっちゅうそう)と呼ばれる植物プラ…

佐良浜のカミと拝所『治癒と物語』 沖縄県宮古島市伊良部

『治癒と物語』に、沖縄県宮古島市の伊良部島にある御嶽(うたき)が紹介されています。場所は、伊良部(いらぶ) 佐良浜(さらはま)という地区です。 伊良部は以下の7つの行政区でできています。 ①伊良部、②長浜、③佐和田、④国仲、⑤仲地、⑥前里添、⑦池間添…

沖縄南部に湧き水が豊富な理由

読書メモ.『沖縄のいきもの』P.35‐38 沖縄の海は、現在、サンゴ礁の発達したエメラルドブルーの海がイメージとしてあります。しかし、沖縄トラフがある以前は、海底に泥があつく堆積している濁った海がひろがっていたといいます。 大むかし、海底に泥がどう…

琉球列島の多様な生き物はどのようにして生まれたか

沖縄本島は、およそ北緯26度で、北緯30度ふきんにあたります。赤道の南北30度ふきんは、一年じゅう「亜熱帯性高気圧」という温かい高気圧におおわれています。赤道上で温められた空気が、上昇気流により大気上層にあがっていき、南北30度あたりでおりてきま…

奄美大島の郷土料理『鶏飯(けいはん)』 鹿児島県奄美市

日本文化に関する書籍類を読んでいて、鹿児島県の奄美大島(あまみおおしま)で、『鶏飯(けいはん)』という郷土料理があるということを知りました。鶏飯は、鹿児島県の奄美大島を中心とした地域でつくられる料理です参照。 鶏のスープとパパイア漬けとの微…

シンプル化されたJR折尾駅 2021年2月20日時点 福岡県北九州市八幡西区堀川町

日本ではじめて立体交差駅ができたという珍しい歴史をもつ折尾駅(おりおえき)。2021年(令和3年)1月3日に、JR折尾駅の新駅舎が開業しました。折尾駅をふくむ折尾地区周辺において大規模な整備が、2006年(平成18年)からおこなわれています。この整備は20…

住宅地にのこる旧陸軍の史跡-「工兵第十二大隊」遺構- 福岡県北九州市小倉南区南若園町

住宅街にぽつんと残される旧陸軍の「工兵第十二大隊」遺構。明治末から大正期につくられた演習施設と推察されていますが詳細は不明です。 場所:福岡県北九州市小倉南区南若園町 座標値:33.842699,130.886863 『北九州歴史散歩 豊前編(北九州市の文化財を…

農業の神さまとしての「山ノ神」さま 福岡県田川郡福智町金田

福岡県田川郡の金田という地区にある稲荷神社境内に「山ノ神」さまがまつられていました。しかし稲荷神社の周囲に山らしい山はありません。一番、稲荷神社から近い山といえば、西南西へ約2.7㎞いった地点にある、標高213mの小山です。 場所:福岡県田川郡福…

石と鉄の芸術 河内貯水池堰堤 福岡県北九州市八幡東区 大蔵

福岡県北九州市の八幡東区に河内(かわち)貯水池という大きな貯水池があります。新日鐵住金株式会社が管理を行う民間企業所有のダムです参照。第一次世界大戦時に増えた鉄の需要にこたえるために1927年につくられ、2020年時点でも現役でつかわれている貯水…

こんなところにも磨崖仏 大分県豊後高田市夷

場所:大分県豊後高田市夷 六所権現社境内 座標値:33.617868,131.557129 大分県 国東半島にある霊仙寺(れいせんじ)から東へ約150mいった場所に六所権現社があります。この六所権現社鳥居をくぐりすぐ右側の岩壁に、上のような三基の磨崖仏が彫られていま…

「穂日命」という神さまの名が刻まれる珍しい庚申塔 福岡県嘉麻市上臼井

福岡県嘉麻市上臼井にある日吉神社。日吉神社、一の鳥居をくぐるとすぐ左側の参道脇に二基の庚申塔が祀られています。 日吉神社の庚申塔 場所:福岡県嘉麻市上臼井 座標値:33.563855,130.707931 ふたつのうち一基は珍しく、庚申尊天でも猿田彦大神でも青面…

戦時中 線路の一部が長崎県へもっていかれた宮原線 大分県玖珠郡九重町から熊本県阿蘇郡小国町

大分県玖珠郡九重町から熊本県阿蘇郡小国町までつづいていた路線がありました。宮原(みやのはる)線と呼ばれる、いまは廃線となってしまった路線です。 宮原線 熊本県阿蘇郡小国町 北里ふきんの橋梁 撮影場所座標値:33.145448,131.109760 この宮原線につい…

どうして不自然にまがる線路が敷かれているのか? 福岡県築上郡築上町 下別府

福岡県に、不自然な曲線をえがいて線路が敷設されている場所があります。その線路はJR日豊本線の一部です。日豊本線は、福岡県北九州市から大分県を経由し、鹿児島県鹿児島市までをむすぶ線路です参照。 下の衛星写真をみると、その問題となる箇所がわかると…

伊美(いみ)という珍しい名前の地区

大分県 国東半島の北部に伊美(いみ)というめずらしい名前の地区があります。この語源について『国東半島 北浦部の地名を歩く(廣末九州男著)』に詳しい解説が紹介されていました。 神を祀る特別な場所を「いみち(忌み地、斎地)」と呼び、ここから伊美(…

大蛇の伝説がのこる滝 福岡県京都郡みやこ町犀川帆柱

福岡県の東部。福岡県と大分県をまたぐ英彦山(ひこさん)のふもとに、蛇淵(じゃぶち)の滝という、いかにも伝承がのこっていそうな名前の滝があります。「蛇淵の滝」の正式な名称は「鈴尾の滝」。どうして「蛇淵」という名前がついたのか?その由縁が『新…

難所の峠にたてられた稲荷神社 福岡県田川郡赤村大字赤

場所:福岡県田川郡赤村大字赤 座標値:33.617001,130.899099 福岡県京都(みやこ)郡と田川郡との県境に、今から約600年前に建立されたと伝わる稲荷神社があります。岩嶽(いわたけ)稲荷です。 県道34号線沿いに岩嶽稲荷の鳥居がみえる 岩嶽稲荷がある場所…

江戸期 11基の石仏 福岡県豊前市大字岩屋

場所:福岡県豊前市大字岩屋座標値:33.556133,131.059109 江戸期 11体の石仏 豊前市の「岩屋」という地名の場所にある岩洞窟には木造 薬師堂があります。薬師堂の周囲には石造りの五輪塔、宝塔のほかに上の写真のような石仏が11基まつられています。 これら…

数奇な運命をたどった庚申塔 大分県豊後高田市田染小崎 空木

2016年4月9日にであった、とても印象深い庚申塔をご紹介します。この庚申塔との出会いが印象にのこったのは、庚申塔がまつられている場所が桃源郷のような場所だったからです。 空木(うつぎ)の庚申塔 場所:大分県豊後高田市田染小崎空木 座標値:33.50442…

飛行機のプロペラが祀られる神社 福岡県北九州市小倉南区

『北九州歴史散歩 豊前編(北九州市の文化財を守る会 編)』のP142に、飛行機のプロペラが奉納されている珍しい神社があるという情報が掲載されています。その神社は北九州市小倉南区にある西大野八幡神社です。 場所:福岡県北九州市小倉南区山本 座標値:3…

大岩に陽刻された国東塔はいつほられた? 大分県豊後高田市田染平野

2011年8月7日に、大分県杵築市から豊後高田市へとぬける山道を車で走っていると、豊後高田市田染の平野という場所で、このような看板をみることができました。 「福寿寺磨崖国東塔」と書かれた看板です。2011年当時のわたしは国東半島を巡りはじめたころで、…

どうして山奥のお寺に、海のくらしに関わるものが祀られるのか 大分県国東市国東町大恩寺

大分県 国東半島のやや北東側に文殊山という標高616mの山があり、この山の北東側の山裾部分に文殊仙寺というお寺があります。西暦648年に建てられたとされるため、2020年時点では1370年ちかくの歴史があるということになります。 本堂である文殊堂 場所:大…

肋骨が数珠玉であらわされる仁王像 大分県国東市国東町大恩寺

場所:大分県国東市国東町大恩寺座標値:33.601998,131.614851 文殊仙寺参道に祀られる仁王像 文殊仙寺の参道を守る仁王像。胸骨から左右に伸びる箇所がモコモコとして異様な形だったのが以前から気になっていました。これは数珠玉をあらわしているそうです…

”神仏習合”をあらわす熊野磨崖仏(くまのまがいぶつ) 大分県豊後高田市田染平野

六郷山と田染荘遺跡(櫻井成昭著)P.67-70を拝読していて、大分県豊後高田市にある熊野磨崖仏についての「こういった見かたがあるのか」という発見がありました。 その発見とは熊野磨崖仏が岩壁に刻まれている、その姿自体が神仏習合(しんぶつしゅうごう)…

道路わきにひっそりと祀られる神社 福岡県北九州市小倉南区大字新道寺

前回の投稿(2020/5/6)でご紹介した櫨ヶ峠隧道(はぜがとうげずいどう)の東側出入口から、東南東へ140mいった場所に大山祇(おおやまつみ)神社がまつられています。 場所:福岡県北九州市小倉南区大字新道寺 座標値:33.7784805,130.8584442 大山祇神社へ…

戦中 弾薬庫としてつかわれていたトンネル 福岡県北九州市小倉南区 新道寺

昭和6年(1931年)に完成され、第二次世界大戦中(1941-1945年)は弾薬庫として使用されていたという櫨ヶ峠隧道(はぜがとうげずいどう)。この隧道は北九州市小倉南区の道原(どうばる)という地区と、新道寺という地区をむすぶ県道28号線にあります。 櫨ヶ…

むかし国東半島で勢力をひろげていた田原氏の墓地【田原(たわら)家丸山墓地】 大分県杵築市大田沓掛

場所:大分県杵築市大田沓掛(くつかけ)座標値:33.509989,131.5605692011.6.28撮影 田原家丸山墓地の五輪塔群 これら30数基の五輪塔は1100年から1400年の間にかけて造られたと考えられています。田原氏は、室町から安土桃山時代にかけて国東半島で勢力をの…

どうして国東半島の東側がむかし栄えたのか【国東津について】

国東半島の東部には、古代、瀬戸内と福岡を結ぶ海上交通の要所がありました。国東津とよばれ、坂門津(大分市)・草野津(福岡県行橋市)とならんで主要な港湾でした。↓下の図は国土交通省のHPで公開されている史料で、平安時代における瀬戸内航路をしめした…

水が不足しがちな国東半島ではどのように水田が開発されたのか

大分県の国東(くにさき)半島では夏季、降水量がすくなく、さらに、半島では急こう配の河川がおおいこともあり水の確保が困難となっています。河川が急こう配であると、河川流域にじゅうぶんな水を供給しにくいのですね。 そんな国東半島を地形図でながめて…

頃末(ころすえ)という地名の語源 福岡県遠賀郡水巻町頃末

福岡県遠賀郡水巻町に頃末(コロスエ)という珍しい地名がついた地域があります。頃末は、福岡県の一級河川である遠賀川(おんががわ)のすぐちかくにあります。 場所:福岡県遠賀郡水巻町頃末 Google mapの航空写真で頃末ふきんを俯瞰してみます↓ ↑頃末とい…

珍しくまつられた由縁がわかる「やぶれ地蔵」 福岡県遠賀郡水巻町えぶり

福岡県北を流れる一級河川である遠賀川にまつわる歴史をたどっていくと、その流域にたくさんの史跡をみつけることができます。 『水巻昔ばなし(柴田貞志著)』P69を読むと、福岡県遠賀郡水巻町の「えぶり」という地区に、”やぶれ地蔵”という珍しい名前の地…