九州の一番北側にある市が北九州市。その北九州市のひとつの区に属するのが若松区。九州のなかでは、二番目に北側にある区。一番北側にあるのは門司区。
北九州市若松区についてWikipediaで調べてみると、「若松半島の大半の地域を占める」とある。若松半島という言葉は初めて聞いたけど、いわれてみればたしかに、洞海湾と響灘、そして遠賀川(おんががわ)で囲われた若松区は、半島にもみえる。
洞海湾から遠賀川へ、江川(えがわ)という小さな川がぬけている。洞海湾が埋め立てられる前は、この江川は広く、そして深く洞海湾の延長のような川だったらしい。
だから、湾で海女を生業としてる人たちが住んでいたということで、北九州市の若松という区には蜑住(あまずみ)という地名が残ってる。だいぶ響灘から離れた内陸部なのに、どうして「あまずみ」という名がついてるのか不思議だったけど、洞海湾の近く…と考えれば合点がいく。
遠賀川河口に近い若松区の西側では、響灘に注ぐ川がほとんど見られない。代わりに、異様なほどたくさんの溜池が見られる。
若松区西側は丘陵地になっていて、高くても40数mの丘があるだけ。その丘から降りてくる雨水を貯めて農業用水としてきた。だから若松区にはこんなにたくさんの溜池があるそう。
今から64年前…1952年、この水不足地域に、より多くの水を供給する目的で作られたのが頓田(とんだ)第一貯水池。近くの遠賀川(おんががわ)からポンプで引かれた水が、この貯水池に貯められるようになった。
頓田第一貯水池ができた16年後に、第二の貯水池ができて、現在の「頓田貯水池」の形ができあがった。貯水池内の地形は複雑に入り組んでいて、小島もぽつぽつとみられる。
だから夕暮れ時の景色は美しい↓。
江川に近い地域では海の生活。そして、江川と響灘の間にある丘陵地では、田畑をつくる農業生活が営まれていたし、今もそれが続いてる。北九州市若松区のキャベツは、響灘から冷たい風を受け、甘さがぎゅっとつまってておいしい↓。
↓これらの写真は、そんな若松区西側で撮ったもの。
人の生活のにおいが漂う場所も、またおもしろい撮影ポイント。