日々の”楽しい”をみつけるブログ

写真と登山好きのku-(くー)といいます。日々の生活に楽しみをみつけて、紡いでいこうとするブログです。

”写真の力”をこの写真集から感じ取れました 「女川佐々木写真館 2011年3月11日、その日から」

写真家 鈴木麻弓さんを知ったのは、グラン・ジュテ(NHK Eテレ)というテレビ番組でした。この番組自体は2013年に放送が終了してしまったのですが、そのなかで紹介されていた”写真家”という職業に漠然と興味をもっていたため、番組を録画して何度も観返していました。

 
「鈴木さんは女川(おながわ)の写真集をだしているんだ」という気づきからこの写真集を見てみたいという気持ちがわいてきました。女川は宮城県牡鹿郡にあり、2011年の東日本大震災で大きな津波の被害に遭った港町です。
 
動画サイトで流れるすさまじい津波の映像とともに、改めて鈴木さんのドキュメントを観返すと、この写真集のもつ力がひしひしと感じられます。でも動画サイトで流されているような重苦しさではなくて、明るい力です。この本のなかには、震災後の女川の写真とともに、いま一生懸命に生きている方々の笑顔の写真が紹介されています。この笑顔にこちらが元気づけられるようです。
 
写真ってあまり知らないときは「一瞬を切り取って、記録するための道具」というだけの認識でしかなかったのですが、その深さを知っていくと、これまで持っていた認識以上の魅力があるのだなと感じます。
 
鈴木さんは、ご両親を東日本大震災で亡くされて、震災前まで距離を置いていた写真という仕事にまた戻られたそうです。
 
スタジオも、店主である父も母も消えてしまった。
あの憎たらしい津波によって何もかも流されてしまった。
満潮の度に冠水し、そのうち写真館は海の底に沈むだろう。
「店は継がなくても、技術だけは継いでくれ」と父は娘に言った。
 
娘はあの日「死ぬまで写真家として生きていく」と天に向かって誓った。
両親のために。そして故郷のために。

 

本当は肖像写真家として日本で有数の腕前をもっていた父が、なぜ地元の女川から出ずに、写真館を営んでいたのか。その父から鈴木さんが受け継いだものとは何か。
 
 
「写真の力」そして「地元への愛」を感じさせてくれる写真集です。
 
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