大分県…特に国東半島や豊後大野市なんかを周っていると、よく目にするのがこんな看板です。
磨崖仏(まがいぶつ)の案内看板です。県内では、石橋も含めて石造物があちらこちらで目にできます。なかでも一番有名なのが、国宝 臼杵石仏。
国東半島、大野川流域は大分県での二大密集地帯になっています。
磨崖仏の宝庫 大分県
全国にちらばる磨崖仏ですが、その半数以上が大分県にあるそうです。豊後大野市、豊後高田市、大分市の順に数が多く、確認されているだけでも約100カ所あります。
冒頭でご紹介した臼杵石仏(臼杵磨崖仏)は、磨崖仏のなかで全国で初の国宝に指定されたものです。ここには、よく写真で紹介されている古園石仏群のほかにもたくさん仏さまの集落?があって、見て回るとけっこうなボリュームです。
地域によってテイストが違う磨崖仏
これだけたくさんあるので、地域によって磨崖仏の特徴が違っているようですね。
県の北側だと、地質的にごろごろした固い岩が混じった岩を加工しなければいけないので、比較的おおざっぱにつくらざるをえなかったようです。だから薄肉彫や、半肉彫・浮彫の形式をとっているものが主なのですね。
県北で代表的なものは、この熊野磨崖仏です。風化していることもあるのでしょうが、とくに体の部分は精密な彫りというよりも丸みを帯びた素朴な感じのする彫りですね。
一方、県南にある臼杵磨崖仏などは、やわらかく彫刻しやすい岩に彫られたので、精密さが高く木造のような質感です↓
地域の特徴から磨崖仏をみていくのも楽しいものですよ。