ここは瀬戸内海国立公園にも含まれている夷谷(えびすだに)。
良質な温泉がわきでる夷谷温泉もここにあります。
個人的に大分県北地域ではいちばんおすすめの温泉です。
この近くに上坊中の庚申塔が祀られてます。
場所:大分県豊後高田市夷(えびす)上坊中
現在地から上坊中の庚申塔:Google マップ
庚申塔はそのつくられた時期により形態が
かわってきています。
地域によってその移りかわりは独特です。
ちなみに国東半島では上坊中の庚申塔のように
文字だけが刻まれている「文字塔」は比較的
初期のものとされています。
このような文字塔は子孫が無事に暮らせますようにと、
道ばたに建てられていました。
この庚申塔もまさに道ばたに祀られてます。
それから、時代がすぎてゆくと
少しずつ青面金剛像がきざまれるようになりました。
青面金剛像の時代になると、農作物がうまく育ってほしい
という願いが込められた「作神信仰」によってきます。
そして一部落に一基というパターンで
庚申塔が祀られるようになってきたそうなのです。
ここ豊後高田市の夷にはいくつかの庚申塔が祀られています。
上坊中の庚申塔は文字塔であることと、路傍に祀られてることを
考えると、やっぱり造立初期…つまり1400~1500年ごろに
造られたものなのかなと想像します。
この庚申塔や五輪塔などが祀られている場所からは、
集落や田畑が一望できます。
さらにちょっと高台には地の神様も祀られています。
この庚申塔にも、集落を見守る…とか、農作物がうまく育ってくれるように…
という願いが込められてるのかもしれませんね。