日々の”楽しい”をみつけるブログ

福岡県在住。九州北部を中心に史跡を巡っています。巡った場所は、各記事に座標値として載せています。座標値をGoogle MapやWEB版地理院地図の検索窓にコピペして検索すると、ピンポイントで場所が表示されます。参考にされてください。

毒をもって毒を制す 病気をばらまく神さまを味かたにつける 国東半島の庚申塔ばなし

国東半島をめぐっていて

ぼちぼちといろんな庚申塔(こうしんとう)に

出会えてきています。

ほんとに奇妙な形態をもつ庚申塔の

青面金剛像(しょうめんこんごうぞう)ですね。

青面金剛は、庚申塔の主尊となっている神さまですが

この神さまはもともと病気をはやらせる神さまなんだそうです。

そのような神さまを祀ることで逆に

悪霊や病魔をとおざける力を発揮すると考えられています。

なんだかファイナルファンタジーの召喚獣みたいですね。

 

昔は病気や災害なんかは、いまよりさらに

人の力がおよびにくいものだったでしょう。

そんな人智を超えたものに対して、

不思議な強い力をもっていると考えられていた

悪の神さまを味方につけようとしたのでしょうか。

 

すこしでも害悪が集落に及ばないようにしたい…

何ごともなく安らかな生活をしたい…

という人の想いが庚申塔の奇妙な像からは感じられます。

青面金剛像のもともとの姿は以下のようなものだったとされてます。

・三眼で怒った表情

・四本の腕をもつ

・それぞれの手には三叉戟(さんさげき;三股の鉾のような法具)

棒、宝輪、羂索(けんざく;綱)を持っている

 

でもご覧のように、いろんな表情をもってますね。

青面金剛像にふさわしく、髪がさかだって憤怒の表情のものや

お坊さんや仏さまのようなものなどさまざま。

 

それに腕も二本のものや六本のものなど…

持っている道具も弓矢、剣、杖、蛇など…

かわったものでは上半身はだかの女人像の頭髪を

つかんだものもあるそうです。

国東の庚申塔をもっと探し求めていきたいものです。