日々の”楽しい”をみつけるブログ

福岡県在住。各地の史跡巡りが好きで、庚申塔を中心に史跡を巡っています。主な行動範囲は九州北部。Nikon D750を使って史跡の魅力を写真でおさめられたら…と試行錯誤しています。

蜑住入口ふきんの馬頭観音 北九州市若松区

北九州市若松区の蜑住(あますみ)という地区の入口に、馬頭観音が祀られているのをみかけたのでご紹介します。ここは、「島郷四国5番札所」のお堂があり、そのお堂がある小さなスペースに馬頭観音や石塔、お地蔵様が祀られていました。

 

場所:福岡県北九州市若松区蜑住

地図:Google マップ

 

↓こちらが蜑住入口の馬頭観音です。

 この蜑住入口地区は今でも田んぼが広がっていて、周囲の民家は農家が主のようです。昔は馬や牛が農作業のときに活躍していたのかもしれません。

労働の主役を担っていた家畜を祀る目的で、このような馬頭観音が祀られてきたのでしょう。同じく馬頭観音を福岡県の嘉麻市でみかけたことがあります。それがこちら↓

こちらの馬頭観音様は、炭坑で荷物を運ぶために働かされていた馬を供養する仏様で、劣悪な環境でたくさんの馬が炭坑内で死んだんだそうです。

 

宿なし百神 (1975年) (東京美術選書〈12〉)で、馬頭観音が紹介されていました。

 

馬頭観音は馬の神さまであるが、馬頭観世音菩薩というのが本当で、馬頭菩薩、馬頭大士、馬頭明王ともいい、六観音のひとつ、そして八大明王の一つでもある。 

 

 

六観音とは何か調べてみると、地獄道、餓鬼道などよく聞く六道それぞれから専門の仏様が救ってくれるという信仰があるそうです。それぞれの専門の仏様が以下のようになります。

地獄道:聖(しょう)観音

②餓鬼道:千手観音

畜生道馬頭観音

修羅道:十一面観音

⑤人間道:准胝(じゅんでい)または不空羂索(ふくうけんじゃく)観音

⑥天道:如意輪観音を配する

 

なるほど、こういった信仰もあるんですね。馬頭観音畜生道から救い出してくれる仏様なんですね。

 

 

宿なし百神 (1975年) (東京美術選書〈12〉)から、さらに重要と思われる部分を抜粋します。

 

かつては人間生活の主要な部分をしめていた馬は、一馬力、二馬力という力の単位ともなり、農家では馬の所有を貧富のモノサシともしていた。(中略) 特に農民は、馬に生活をゆだねる場合が多く、馬はほとんど家族の一員としてあつかわれ、死馬に対しては供養塔を建てた。そして路傍には馬頭観音を祀って馬の安全と成育を祈ったのである。

このような感じ↓で、ほかにもたくさんの石塔や石仏が祀られていたので、もしかしたら、蜑住入口ふきんにあるこの馬頭観音も他の場所にあったのを、このお堂のある場所に移動させられたのかもしれません。

↓ちなみに庚申塔と思っていた石塔は、庚申塔ではありませんでした。文字がだいぶ風雨に浸食されており、何が書かれているのか判別できません。

↓こちらの石塔も同じく、文字は判別しにくいのですが、なにやら「島郷四国霊場 碑文」という文字がかろうじて認められるので、こちらも庚申塔ではなさそうです。