「八剣神社(やつるぎじんじゃ)」とは、いかにもいわれがありそうな名前の神社です。この神社に庚申塔が6基保管されていたので、ご紹介します。
地図:Google マップ
八剣神社の名前の由来について調べてみると、日本書紀で語られる草薙剣(くさなぎのつるぎ)が、ここ鞍手郡中山の八剱神社に保管されていたという伝説からきているようです。こういう神話は理解するのが、ぼくには難しく詳細の内容はわからないのですが、素戔嗚尊(すさのおのみこと)が八岐大蛇(やまたのおろち)を退治した際、その尾っぽから出てきたのが草薙剣なんだそうです。
八岐大蛇の尾っぽは八本だったために、八つの剣が尾っぽから得られたそう。ここから「八剣」という名が付けられたようですが、詳細はもっと調べてみないとわかりません。
話を庚申塔へと戻します。鞍手町中山にある八剣神社は、剣岳の中腹に鎮座します↓
長い階段をのぼり境内につくと…
社殿に向かって、右奥のほうに庚申塔がみえてきます。
↓なんとなく、庚申塔だと確認できるのが、ここでは5基。
↓さらに拝殿の右奥に1基、庚申塔が祀られていました。
ザザザッとご紹介しますと…
…このような感じになります。これらの庚申塔のなかでも、珍しかったのがこちらの庚申塔です↓
「謹慎 幸神尊天 元禄十一年 中山村住人 六月十七日 小長光久?」という銘が入っています。「?」の部分は判読が困難でした。
そしてその銘の下側には、なんと猿と鳥が。だいぶ浸食されて丸くなっていますが、まちがいなく猿と鶏です。
福岡県の庚申塔では珍しいです。「元禄11年」というと、西暦1698年。今から319年も前。全国的には青面金剛主尊の庚申塔がよく造られていた時代初期です。鶏・猿がはじめて庚申塔に姿を現した時代から、約100年は経っているようです。
なんとなく、こちらの庚申塔↑がもともと八剣神社にあったもので、その他の庚申塔は中山という地区の各所に祀られていたものを集めてきたような感じがします。