福岡県遠賀郡の水巻町にある貴船神社に珍しい庚申塔を見つけました。
地図:Google マップ
拝殿右側の山の斜面に今回の庚申塔は祀られていました。
文字のくせが強く、刻まれた文字を読みとることが難しいです↓
「…寺庚申塔」と、なにかお寺の名前が刻まれているように思えます。
こうじゃないかという文字を推測し、その推測した文字でネット検索をかけ何度もしっくりくる文字がないか試みました。そしてひとつの結論がでました。
たぶんこういう字が刻まれているのではないか。?の部分は「内」か「田」なのではないかと思い、「摂内」「摂田」で検索しましたが、納得できるような検索結果が得られませんでした。仮に「摂四」としてそれらの文字を逆にして「四摂」とすると「ししょう」と読むことができ、四摂法・四摂事が”菩薩が人々を導く方法を4種に分類したもの”とされます。
なんとなく庚申塔に沿うような意味の言葉になるように思えます。しかし文字を逆にしたならば…の話なので、少し強引な解釈となると思います。
広辞苑で調べてみると「摂」という文字は摂津国(せつのくに)の略とあります。仮に「摂内」と書かれていたとして、摂津国の内と読めるのでは?
そしそうならば摂津国はどこか?広辞苑を調べると「一部は大阪府一部は兵庫県に属する」あたりの土地なんだそうです。
歴代の皇居が置かれた大和・山城・河内・和泉・摂津の5つで構成された五畿内(ごきない)という地のひとつが摂津のようです。↓下の地図(引用:摂津国 - Wikipedia)の赤い部分が摂津です。
摂津という場所に四天王寺はあるのか調べてみました。すると、大阪府大阪市天王寺区四天王寺1−11−18にありました。
この四天王寺に由来する庚申塔なのでしょうか。庚申塔に向かって右側にはおそらく「昭和九年6月」の文字が刻まれます。これまで見てきた中で一番新しい時期に造られた庚申塔です。
大阪の四天王寺にお参りにいったかたが、そのご利益を水巻の地元に住むひとたちにも受けさせてあげたいという念でこの庚申塔を立てたのでしょうか?すべては憶測です。